【女子 手づくり部 Vol.2】レタープレスでクリスマスカードを作ってみたよ

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こんにちは! 女子 手づくり部です。

今回も、印刷にちょっとした一手間を加えてつくれる、かわいい紙ものをご紹介いたします!

第二回目のテーマは「レタープレス」です!

レタープレスとは

レタープレスとは、凸版(とっぱん)と呼ばれるデコボコの版で印刷する方法のことです。

デコボコの版にローラーで圧をかけて印刷するので、プリンターでは出せないような、ヘコみ・かすれ・版ずれなどのアナログ感を楽しむことができます。

現在の印刷業界ではメジャーな印刷方法ではないのですが、その独特のアンティークな雰囲気から、近年最注目されています。

そんなレタープレスという方法で、今回はクリスマスカードを印刷してみます!



STEP1 感光性樹脂版でレタープレスの版をつくる

版をつくるには?

レタープレスでは、印刷するには「版」が必要になります。版画をイメージするとわかりやすいのですが、版にインクを塗って、その絵柄を紙に転写します。
版画では木の板を彫って版にしますが、レタープレスの場合は「感光性樹脂板」というものを使います。

「その樹脂板ってなんなの・・・」という感じですが・・・光に当てると硬化する樹脂でできた板のことです。(そのままですが)
今回は、樹脂板から版をつくる方法も解説いたします!

樹脂板を手に入れるには、すたんぷつくーるストア様の「れたぷれ! start-kit」がおすすめです。こちらのキットは樹脂板の他に、版をつくるのに必要な道具が一通り揃っているのでとっても便利です。

手づくり部もこのキットを使って、樹脂板から版を作ってみます!

手描きイラストでも印刷できます

レタープレスは手順さえしっかりと踏めば、手描きのイラストでも、パソコンで作ったデータでも、どちらからでも版を作って印刷することができます。

せっかくなので今回は、手描きのイラストをもとに印刷してみましょう!

元となるイラストを描きます

レタープレスの版となるイラストを描きます

とりあえず、版にするためのイラストを描きます。今回はクリスマスカードを作りたいので、クリスマスにちなんだイラストにします。

ねこサンタのイラストを版にしてレタープレスします

こんな絵を描いてみました。ねこサンタです。

なるべく白と黒がはっきりした絵柄にしましょう
グラデーションなどはレタープレスには適しません

イラストをスキャンし、ネガを作ります

樹脂版は光に当たると固まる性質を持っています。
つまり、描いたイラストのとおりに光が当てることができれば、その部分だけが固まって版になります。

光が当たる部分と当たらない部分をつくるために「ネガ」を準備しましょう。

スキャンしたイラストの左右と色調を反転させ、ネガを作ります

というわけで、描いたイラストをスキャンし、パソコン上でネガデータにします。
こんな感じで、色と左右を反転させればOKです。

パソコン上でイラストを描いた場合も、同じように色と左右を反転させましょう。

ネガのデータを透明なフィルムに出力します

データを透明なフィルムに出力してネガを作ります

作ったネガのデータを、透明なフィルムに出力するのですが、今回はオンデマンド印刷機で出力しました!
「れたぷれ! start-kit」にはインクジェットプリンタ用の透明フィルムがセットになっていますので、お家で行う場合はそちらを使いましょう。

出力したネガは、使う部分だけを切り抜いておきます。

樹脂板にネガを貼り付け、露光します

レタープレス用、1mm厚の感光性樹脂版

こちらが今回使う樹脂板です。厚さは1mmのものを使います。
樹脂板の中では薄めのもので、版が作りやすくおすすめです。

ネガのサイズに合わせ、樹脂板を切ります

樹脂板を作ったネガのサイズに合わせて切ります。

樹脂板の保護フィルムをはがします

切り終えたら、樹脂板に貼ってある保護フィルムをはがします。

樹脂板とネガはできるだけ密着させます

フィルムをはがした面にネガを貼りつけます。できるだけ密着させましょう。

 

ネガは自分から見て、左右反転した状態で貼ります

レタープレスの版はスタンプと同じように左右反転させてつくる

レタープレスの原理は、スタンプと同じです。
スタンプは左右反転された状態で彫られていますよね。レタープレスの版も同じように左右反転させた状態で作ります。なのでネガはもとのイラストを左右反転した状態で貼りましょう。

ネガを貼った面を下にして、フレームに樹脂板をセットします

つづいて樹脂板を、ネガを貼った面を下にしてフレームにセットします。
フレームに入れることで、フィルムと樹脂板がより密着し、キレイに感光させることができます。

もとのイラストと反転された状態で樹脂板をセットします

正面から見るとこんな感じです。もとのイラストと比べ、左右反転になっていればOKです。
この向きで露光すれば、レタープレス用の版ができ上がります。

樹脂板にライトを当て、硬化させます

紫外線ライトをあて、樹脂板を露光します

ここから樹脂板を硬化させる作業ですが、今回はこのような紫外線ライトを使います。

紫外線ライトで露光する際にはダンボールをかぶせておきます

樹脂板と紫外線ライトの距離はできるだけ近づけておきます。
光を当てる際には、他の光が入らないように、ダンボールなどをかぶせておきましょう。

ダンボールをかぶせ、12分ほど露光しました。

樹脂板を取り出し水で洗います

露光がすんだら、フレームから樹脂板を取り外します。

露光が済んだ版にはうっすらとイラストが浮かび上がります「

このように薄っすらとイラストが浮き上がっているのがわかるでしょうか。

この状態の樹脂板を水につけます。そうすると、光に当たらず固まらなかったところが水に溶け出し、イラスト部分だけが残ります。

露光済みの版をブラシで洗い出します

イラスト部分だけが残るように、ブラシでキレイに洗い出しましょう。

長時間水につけすぎていると、せっかく固まった部分が水で柔らかくなり、崩れてしまうことがあります。
なので、手早く丁寧に洗い出します。

 

樹脂板を水につけると独特のニオイが広がります!

苦手な方は注意です

洗い終わったら、水分を拭き取り乾燥させます

洗い出した版は十分に水分を拭き取ります

このようにイラスト部分だけが残るまで洗ったら、水分を拭き取り、十分に乾燥させます。
きれいな黄色の樹脂板、手づくり部員たちからは「美味しそう」という声が上がっていました。(食べられません。)

 

水分をよく拭き取り、しっかりと乾燥させましょう
少しベタつきがあったりすると乾燥できていないので注意です

もういちど露光します

一見、すでに版が出来上がっているように見えますが、実はまだ完全には固まっていません。この状態で印刷を行うと、版が潰れてしまうこともあります。

版を乾燥させた後、再露光し完全に硬化させます

なので乾燥がすんだら、また紫外線ライトに当てて完全に硬化させます。

版の完成!

5分ほど再露光し、版が出来上がりました!

再露光し版が完全に硬化したら、完成です

あとは、印刷に必要のない周りの部分を切り落とせば完成です! 次はいよいよ印刷してみます。


STEP2 出来上がった版でレタープレスしてみる

できあがった版でレタープレスしてみます

今回はこちらのレタープレス機で印刷します!

小型のパーソナル印刷機でレタープレスを行います

「レタープレスコンボキット」という、レタープレスに必要な道具が全てセットになったものを使用します。

案外小さいですね。「印刷機」と聞くと大きな機械をイメージするかもしれませんが、このような小さなものでも十分に印刷可能です。小さくシンプルなため、女性でも手軽に扱えます。

ハンドルの付いた本体と、用紙と版をセットする「プラットフォーム」で構成されています。

プラットフォームをセットし、ハンドルを回すことで印刷できます

印刷する時はこのようにハンドルをくるくると回します。
中のローラーで用紙と版が文字通りプレスされ、印刷できるというわけです。

まず印刷する色を作ります

CMYKのインクを混ぜ合わせ、好きな色を作ります

こちらのCMYKのインクを混ぜ合わせて、自分の好きな色を作ります。なぜCMYKなのか・・・CMYKとは何なのか・・・という方は、こちらの記事をごらんください。

画面上で色を選び、プリンターで出力すればどんな色でも印刷できる時代ですが、ここは「手づくり部」らしく、あえて手作業で色を作っていきますよ!

今回はクリスマスっぽく赤を作りたいと思います!

もんじゃ用のヘラはインクを混ぜ合わせるのに最適です

このような感じで、ヘラで色をすくって混ぜ合わせていきます。ちなみにもんじゃ用のヘラを使っています。
赤を作るには「マゼンタ」と「イエロー」を混ぜます。

レタープレスで印刷する場合のインクの量は、少なめでOKです

作った色の刷り上がりを確認します

インクを混ぜ合わせて色を作り、いざ刷ってみたものの「想像してた色とぜんぜん違う!」なんてこともよくあります。
なので、刷る前に色を確認してみます。

2枚の紙でインクを薄く伸ばし、刷り上がりの色を確認します

インクを少量取り、2枚の紙にペタペタと何度かくっつけあわせます。そうするとインクが薄く伸びて、印刷したときの色に近くなります。

パレットにある色よりも、刷り上がりは薄い色となります

なるほど、パレット上にある時よりも、刷り上がりは薄い色になるんですね~。
この時点で、確認した色が想像と違っていたら、インクの分量を調整してみましょう。

インクをローラーでよく練ります

インクをローラーでよく伸ばします

色が出来上がったら、ローラーを使いよく伸ばしておきます。
なるべく薄く、まんべんなく伸ばします。

プラットフォームに用紙をセットします

プラットフォームに用紙をセットし、ガイドシールを貼ります

次にプラットフォームを開き、用紙をセットします。
用紙の位置を決めたら、ガイドシールで目印をつけておきましょう。
何枚も印刷するときにはこの目印にあわせて用紙を取り替えます。

ちなみにレタープレスでヘコみのある印刷を楽しむには、厚手の「クッション紙」という用紙が適しています。
今回使う用紙は「特Aクッション」という紙の0.8mm厚のものです。

版もセットします

版を用紙の上に置き、どこに印刷するかを決めましょう。

版は余分なところを切り落とし、印刷位置を決めましょう

 

版は凹凸になっている部分を下にして置きます

位置を決めたら、プラットフォームにセットするのですが・・・
そのときに登場するのがこちら!

プラットフォームに版をセットするのに、でんぷんのりを使います

でんぷんのりです。(写真はフエキくん
版をでんぷんのりでプラットフォームに貼りつけてしまいます。

のりは薄く、はみ出さないように版の中央部分に塗ります

版を取り替えるときにはがしやすく、きれいに拭けばあとが残りにくいのでおすすめです。

両面テープなどで貼り付けると、版をはがした時にあとが残りベトベトするのでおすすめしません。

のりが多いとプレスしたときに、はみ出して用紙にくっついてしまいます
できるだけ薄めに、真ん中の方だけに塗るようにしましょう

のりを塗ったらプラットフォームを閉じ、手で軽く押さえ貼りつけます。

閉じたプラットフォ―ムを手で押さえ、版を貼り付けます

ローラーで版にインクを塗ります

ローラーで練ったインクを版に塗ります

プラットフォームを開き、貼り付けた版にインクを塗っていきます。
あまり厚く塗りすぎるとにじみの原因となるので、キレイに印刷するにはできるだけ薄めに塗ります。

はみ出たインクはアルコールタオルなどで拭き取ります

はみ出したり、版以外のところにインクが付いたりした部分はアルコールタオルなどでキレイに拭いてしまえばOKです。
なので怖がらずにどんどん塗っていきます。

プラットフォームを印刷機にセットし、ハンドルを回します

インクを塗り終えたら、プラットフォームを閉じます。
ちゃんと印刷したい位置に版がきているでしょうか?

インクを塗り終えたらプラットフォームを閉じ、印刷位置を確認します

位置を確認して問題なかったら、プラットフォームを印刷機にセットし、ハンドルをくるくると回しましょう。

ハンドルを回すと、プラットフォームが本体の中を通り、プレスされます

印刷機の中をプラットフォームが通り、ローラーで圧がかけられ、印刷されます。

プラットフォームを開き、印刷結果を確認します

プラットフォームを開いて、印刷結果を見てみましょう。

レタープレスで、にじみもなくキレイに印刷されたカード

にじみもなくキレイに印刷できました! 手で触ってみると、いい具合にヘコんでいます。
しっかりと手描きの風合いも出ていますね。

「もっとヘコませたい!」という場合は印圧を調整してみましょう。
印圧を調整するには、こちらのダイヤルを使います。

特Aクッション 0.8mmに対し、印圧は8に設定

ちなみに現在の設定は、「特Aクッション 0.8mm厚」という用紙に対して、印圧8で印刷しています。
このダイヤルの数字を上げれば、印圧も上がります。

クリスマスカードの完成!

レタープレスでクリスマスカードがキレイに刷り上がりました

というわけで、クリスマスカードができました!
新しい用紙をセットして版にインクを塗り直せば、何枚でも印刷することができます。
この調子でどんどん印刷してみましょう!


STEP3 クリスマスカードを作ってみた

今回も手づくり部員が個性豊かな作品を作りました。
テーマは「クリスマスプレゼントに一緒に添える、かわいいカード」です。
どんな作品ができたのか、早速見てみましょう。

もき・ささきの作品

みんなでクリスマス

みんなでクリスマス レタープレスのクリスマスカード

コメント:

今回はもき・ささきの共同で制作しました。
お互い4人家族というのが共通していたので、「家族で祝うクリスマス」をテーマにつくりました。

それぞれで描いたイラストをパッチワークのように組み合わせて、1枚のカードにしています。

コースターとしても使えるクリスマスカード

カードとして贈った後は、コースターとして使用してもらうことで、クリスマスを一緒に祝えるカードになってます。

イラストはクリスマスのオーナメントやモチーフを組み合わせてパターンにしました。

中央に靴下のイラストが浮かび上がる

版ずれも最小限に抑えることができ、中央に白抜きのくつ下の柄が綺麗にでて嬉しいです。
製版時に細かい線が綺麗に出なくて、何度かデザインの調節をし今の形になりました。
それでも細かい線が多い中、綺麗に印刷できたことにとても満足しています。

とくながの作品

トナカイと靴下のクリスマスカード

コメント:

色は3色つくって、それぞれの版に分けて刷っています。

レタープレス特有の版ずれもご愛嬌

プレゼントを入れるくつしたに、自らが「プレゼントだよ!」と入ってしまうおちゃめなトナカイのイラストをレタープレスしました。

版ずれも愛嬌があってお気に入りです。ゆる~いクリスマスカードになりました。

あんどうの作品

トナカイの骨のクリスマスカード

コメント:

クリスマスらしい可愛く楽しげなデザインが思いつかず煮詰まったので、個人的に好きな骨で、赤鼻のトナカイ・ルドルフを描きました。(映画「The Nightmare Before Christmas」へのオマージュでもあります。)

シルバーのレタープレスインクで印刷した

シルバーと深い赤のインクで、ひと味違うクリスマスが表現出来ていればと思います。

文字の部分が大変細かいので、指の腹でやさしく版を洗い流し、壊れてしまわないよう気を付けました。どこも欠けずに刷ることができて嬉しいです。

たかひらの作品

サンタクロース+武将のクリスマスカード

コメント:

クリスマス前夜に良い子のもとへプレゼントを配るサンタクロースを、出陣する戦国武将に見立ててデザインしました。24日の夜はサンタクロースにとってはまさに戦です!

主線と塗りの版ずれをできるだけ抑えて印刷した

主線の茶色と面の色があまりズレないように作りました。

主線よりも面の色をつける方が、色を塗る面積が多いので大変でした。

くぼたの作品

タイポグラフィで構成されたシンプルなクリスマスカード

コメント:

今回は“とにかくシンプルに”を心がけ、ました。こだわった部分は “Merry Christmas” の文字の色です。

文字が金色に見えるように印刷した

金色のインクが無い中でいかに金に近い色を作れるか試行錯誤した色です。少しでも金に見えると嬉しいです。

おのだの作品

ぼたんとクリスマス

ボタンで構成されたツリーのクリスマスカード

コメント:

ぼたんがかけ合わさるように、たくさんの人たちのクリスマスの日の思い出が集まるイメージでクリスマスツリーを作りました。

レタープレスのかすれも味わい深い

プレスされた凹みに色が入ることで、少し立体感が生まれました。色も、ピンクと赤では違った可愛らしさがあり、見ているだけでクリスマスが楽しみになるカードに仕上がったと思います。

一色刷りと二色刷りのバリエーションがある

わたなべの作品

夢見る少女

くるみ割り人形のクララをモチーフとしたクリスマスカード

コメント:

クリスマスといえばクリスマスツリー、プレゼント、おもちゃ、くるみ割り人形…ということでクララをイメージしました。

トウシューズと文字をつなぎ合わせたデザイン

トウシューズのつま先から文字をつなげてみました。
雪の結晶が細かいので、色をのせるのに苦戦しましたが、キレイに刷ることができたのでお気に入りです。

色を一色にして、周りにスパンコールをつけて華やかさを出してみました。

あだちの作品

カップケーキをモチーフとしたクリスマスカード

コメント:

クリスマスのカップケーキを大きく載せました。

ボールペンのインク溜まりもレタープレスで再現されている

ボールペン画のインク溜まりを意識して描いたところがポイントです。

雪についた足あとをモチーフとしたクリスマスカード

親子、恋人同士が並んで歩いているところをイメージしました。

インクを付けず空押しし、雪上の足あとを再現した

あえてインクをつけずに足あとをプレスして、雪道についた足あとを表現しました。

今回はクリスマスカードの印刷を行いましたが、もちろん素敵なグリーティングカードや名刺なども作れちゃいます。

一度版を作ってしまえば、何度も印刷できるので、いろいろなことに応用できそうですね。

この機会に、新しい趣味として「レタープレス」を始めてみてはいかがでしょうか?

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