皆さんはじめまして、女子手づくり部です!
女子手づくり部とは、9名の手づくり部員たちが印刷物に “ちょっとした一手間” を加えて、日常で使えるかわいい紙ものを作るサークルです。
これから月イチのペースで、かわいい紙ものづくりの方法をご紹介していきます!
記念すべき第一回のテーマは「ロウ引き」です!
ロウ引きって?
ロウ引きとは、溶かしたロウを染み込ませる技法です。紙にロウ引きをほどこすと、透け感やアンティークな感じを楽しむことができます。
今回はアイロンをつかって、手軽にロウ引きを楽しめる方法をお教えします!
そして最終的には、ロウ引きを施した封筒を作ってみたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。
材料を揃えよう
まずは、ロウ引きに必要な道具と材料を揃えましょう。今回使うものはとっても身近なものばかりです。紙やロウソクなど、材料のほとんどは100 円ショップで手に入れられます!
最近は折り紙なども非常に充実しているので、ロウ引き用紙におすすめです!
① アイロン ②クッキングシート ③ロウ引きしたい用紙 ④ロウソク
⑤カッター ⑥スティックのり ⑦新聞紙
道具と材料が用意できたら、早速ロウ引きの方法を見ていきましょう。
ロウソクを削ります
まずはカッターでロウソクを薄く削っていきます。大体1本分くらい削れるといいと思います。
削り終えたら、カッターの先端などでより細かくしておきましょう。なるべく細かいほうが、後々の作業がしやすくなります。
① 必ず新聞紙などの上でやりましょう。机にロウが散らばると後片付けが大変です。
② 芯はなるべく削らないようにしましょう。
クッキングシートを2つ折りにし、軽くアイロンをかけます
次にクッキングシートを用意し2つ折りにします。2つ折りにしたクッキングシートに、ちゃんと用紙が収まるように大きめにとっておきましょう。
クッキングシートが丸まってしまう場合には、軽くアイロンをかけるとOKです。
アイロンの温度は必ず「低」に設定しましょう
クッキングシートの上にロウ引きしたい用紙を置き、削ったロウをのせていきます
まずはロウの量は少なめに、端の方からのせていきましょう。
やってみて少ないと思ったら、ちょっとずつ足していく感じです。
クッキングシートを閉じアイロンをかけ、ロウを溶かしていきます
アイロンの温度は必ず「低」に設定しましょう。
ロウを溶かしながら、のばすようにアイロンをかけましょう
すると、
このように溶けたロウが用紙に染み込んでいきます。
この時点で透け感を確認してみましょう! いかがでしょう、いい感じになってますか?
用紙全体に染み渡るように、ロウを溶かしていきます
同じ要領で、用紙全体にまんべんなくロウが染み渡るようにアイロンをかけていけば完成です。
上手くいかなかった場合は下記を参考にしてみましょう。
● ムラができてしまった…
ロウが染みていないところがムラになってしまうことがあります。
染みていないところに少しずつロウを足し、アイロンがけすればキレイにムラを埋めることが出来ます!
● ロウが多すぎた…
逆にロウが多すぎてベタベタになってしまうこともあります
その時は、ロウ引きした紙をキッチンペーパーや新聞紙などにはさんでアイロンがけし、余分なロウを吸い取ってしまいましょう。
ロウを吸い取りすぎると、白く粉を吹いたようになってしまうので、アイロンは「サッと」かけるくらいでOKです。
ロウ引き紙が完成!
用紙全体にロウが染み渡ったら完成です!
左側がロウ引き後、右がロウ引き前です。
光にかざしてみると、かなりいい感じの透け感に仕上がっていますね。
今回は、100円ショップで買ったヴィンテージ調の折り紙にロウ引きしてみました。
折り紙は非常に薄く、ロウ引きするとキレイに透けるのでおすすめです。
普通のコピー用紙や、クラフト紙などで試してみるのもいいですね。
さらにロウ引きした紙をクシャクシャにすると、このようにひび割れ模様ができます。
この模様を活かした作品づくりもできそうですね!
ここまでいかがでしたでしょうか?
さて次はいよいよ封筒のロウ引きをやっていきますよ。
封筒を蝋引きするには…
ロウ引きされた紙を普通ののりでくっつけることは出来ません。なのでロウ引きをする前に、封筒を組み立てておく必要があります。
先にのり付けしておけば、ロウ引きしてもはがれることはないので心配ありません。もちろんシールやマスキングテープも、先に貼っておけばロウ引きすることが出来ます。
というわけで、ロウ引き用の封筒を作っていきましょう。
今回は簡単に封筒が作れる2 つの方法をお教えしちゃいます。
① 封筒テンプレートでオリジナルデザインの封筒をつくっちゃおう!
まずこちらより、封筒テンプレートをダウンロードしましょう。Adobe イラストレーター形式なのでオリジナルのデザインを施すことが出来ます。
これをA4サイズで出力し組み立てると、簡単に封筒を作ることができちゃいます。
② 型紙を使って、折り紙でカードサイズの封筒をつくっちゃおう!
型紙から封筒を作ることも出来ます。今回はこの折り紙用封筒型紙を使います。こちらをダウンロードした後、同じようにプリンターで出力し点線で切り抜くと、カードサイズの封筒の型紙になります。
こちらの型紙は100 円ショップで売っている折り紙(15×15cm)サイズになっているので折り紙から簡単に封筒が作れちゃいます。
(写真は先ほどの折り紙の色違いです)
もちろん、折り紙以外の好きな用紙からも封筒を作ることができちゃうのでおすすめです。
封筒を組み立てよう
大きな封筒でも小さな封筒でもここからの工程はさほど変わりません。
今回はカードサイズの小さな封筒でご紹介します。
切り抜いた用紙を封筒の形に組み立てていきます。
芯を出していないシャープペンシルなどで折りスジを入れておくと組み立てやすくなります。
封筒を組み立てる場合は、固形スティックのりを使いましょう。
テープのりなどはロウ引きした際に、あとが透けてしまうのであまりおすすめしません。
のり付けして封筒が出来上がりました!
ロウ引きの手順は一緒! 同じようにやってみよう
封筒が出来上がったらいよいよロウ引きです。手順自体は一枚の紙でやったときと変わりません。
封筒のロウ引きは片面ずつ
まずはオモテ面をまんべんなくロウ引きしていきます。
ちなみに今回は封筒に切手シールを貼ってみて、ロウ引きしてもはがれないかどうかの実験もしてみます。
オモテ面をロウ引きし終えましたが、ウラ面にはあまり染みてませんね。
ムラができてしまったときと同じように、ロウの染みていないところを中心にアイロンがけしていきます。
こちらも全体的にロウが染み渡ったら完成です。
封筒をロウ引きする際にはいくつか注意点があります
● 中がくっついて封筒が開かない! でも、あわてないように
溶けたロウが封筒の中でくっつき、封筒が開けられないことがあります。
力ずくで封筒を開けると、このように白いスジが残ってしまうので注意です。
くっついた封筒を開けるときは、名刺くらいの厚さのカードをスキマに差し込み、ゆっくりゆっくり剥がすように開けていきましょう。
● 中がロウでベタベタになってしまっているときは…
封筒を開けてみると、ロウが白く固まりベタベタに…。
こういった場合も先程と同じように、封筒の中にキッチンペーパーや新聞紙を入れ、ロウを吸い取ってあげるときれいに仕上がります。
出来上がりました! いかがでしょうか、この透け感! いい感じですね。
切手シールもはがれること無くしっかりとロウ引きされています。
このように、ただ封筒を作って蝋引きしただけでも結構オシャレに仕上がりますが、
今回はもっとかわいい封筒をつくってみたいと思います!
「ロウ引き封筒をやってみたいけど、材料を集めるのが面倒!」お思いではありませんか?
ぜひ、「ロウ引き封筒スターターキット」をお試しください!
ロウ引き封筒用紙が10枚(5色×2枚ずつ)と、フレーク状のロウがセットになっておりますので、開封してすぐにロウ引きがお楽しみいただけます。
手間なく、ロウ引き封筒づくりに挑戦してみましょう!
というわけで、手づくり部員たちに思い思いにアレンジしてもらいました。どんな風につくっているのか少しのぞいてみましょう。
なにやら車の絵を切り取ってみたり、
かどまるProで丸く加工してもかわいくなりそうですね。
お腹も空きます。
さて、どんな風に仕上がったのでしょうか。
手づくり部員9名の作品をそれぞれ見てみましょう。
ねこのせなか
用紙:紀州の色上質 浅黄・びわ、ポルカ メレンゲ アレンジ手法:オンデマンド印刷、ホワイトトナー印刷
コメント:
猫の背中が透けて見えてくる、蝋引きの「透ける」という効果を活かして制作しました。
線と塗りの組み合わせを換えることで、いろいろな猫たちが作れます。
送る人のイメージに合わせて作ることができる、がこの作品のコンセプトです。
モチーフについて、多くの生き物にとって背中を見せるという行為は、相手への信頼があるからできることです。猫の「背中」を見せることで、送る相手への信頼をこっそり託せたらいいなと思います。
てふてふたんぽぽ
用紙:ポルカ メレンゲ アレンジ手法:オンデマンド印刷
コメント:
封筒に「入れる」「取り出す」ことで変化する作品です。
「透ける」効果を活かして、たんぽぽが重なり広がる風景を制作しました。
受け取る人に楽しんでもらえるように外側と内側両方にたんぽぽと蝶を忍ばせてます。
手紙が入っているとき、取り出したときのたんぽぽ畑を楽しんで頂きたいです。
たんぽぽ好きな友人へ送ります。
ひまわりデザイン
用紙:ファーストヴィンテージ イエローオーカー・ターコイズ アレンジ手法:オンデマンド印刷
コメント:
定番のお花をモチーフにしたデザインでも、封筒に組み立ててロウ引きをすると、特別感がでて素敵になりました。
たぬきデザイン
用紙:ファーストヴィンテージ オーク・オリーブ アレンジ手法:ホワイトトナー印刷、スタンプ
コメント:
ホワイトトナーでたぬきを印刷したものにロウ引きをしました。パンダに見えがちですが、よく見るとたぬきなのです。
アンティークっぽいデザイン
用紙:ミルトGAスピリット ホワイト、ファーストヴィンテージ シルバー アレンジ手法:オンデマンド印刷
コメント:
ろう引きをすると重厚感がでるな~とわかったので、少しアンティーク調のデザインが合うのではないかと思いました。
ハロウィン封筒&ハロウィンミニ封筒
用紙:紀州の色上質 黒 アレンジ手法:ホワイトトナー印刷
コメント:
厚めの黒い紙に白インクで刷った封筒は、しっかりと存在感のある出来になりました。ロウ引きをすることでより重厚感が増し、手触りもより高級感が出ました。紙が厚く黒色なので透けることはありませんでしたが、紙やインクの違いによる印象の差異がわかりやすい作品になったと思います。
同じく厚めの黒い紙に白インクで刷ったミニ封筒は、同じデザインモチーフを使いましたが、サイズが小さいので可愛らしい印象になりました。しかし存在感、重厚感のある素材を用いたので、決して安っぽくは見えません。ハロウィンパーティへのミニ招待状などに使うと、それらしい雰囲気が出そうです。
黒い紙はロウのムラが目立ちやすく作業が難しいですが、高級そうに見せたいときにはお薦めです。
千手観音封筒
用紙:ポルカ メレンゲ アレンジ手法:オンデマンド印刷、ホワイトトナー印刷
コメント:
多くの手を持つ神様の千手観音を、神童と呼ばれたモーツァルトに見立ててデザインしました。神様にもきっと趣味はあるはず…。
獅子舞
用紙:ミルトGAスピリット ホワイト アレンジ手法:オンデマンド印刷、ホワイトトナー印刷
コメント:
人の頭を噛むことにより、その人についた邪気を食べてくれることで知られていますが、いつも噛んでる固い物ではなく、やわらかいものを噛まずに食べたいという人間らしい獅子舞を描きました。
ダルマ
用紙:ポルカ メレンゲ アレンジ手法:オンデマンド印刷、ホワイトトナー印刷
コメント:
倒れたら必ず起き上がるダルマにだって、起き上がりたくないときもあるかもしれないです。来る冬を肌で感じつつ、ダルマも寒い日は布団から起き上がりたくないだろうなと想像しながら作りました。
三点とも文字は中面に印刷し、蝋引きして封筒が透けることによって表面に出てくるというデザインにしました。またキャラクターは日本に馴染みのある物を意識して制作してみました。
アクアリウム
用紙:ことぶき うすみず・うすもも アレンジ手法:スタンプ
コメント:
こちらには「ことぶき」という特殊紙を使用しました。ピンクと水色を購入し、どちらともロウ引きを行いました。水色の紙は蝋引きをする前は和紙のようなすごく落ち着いて肌触りのいい紙でしたが、蝋引きをすると綺麗に紙が透けて、光に当てると水の中にいるように見えました。
ところどころに金箔や銀箔が散りばめられているので、それがまた綺麗に写り、蝋引きする前とは違う魅力が引き出されたと思います。
お日さま
用紙:TS-10 タントセレクト
コメント:
こちらの紙は「TS-10 タントセレクト」という特殊紙を使用しました。蝋引きする前は絨毯のようなやわらかい感じの紙でした。
それを蝋引きしてみると、透けて暗くはなりますが、中に茶色系の紙を入れると、土が照らされているような色になり、ぽかぽかの暖かい、自然のお日さまにあたったような封筒になりました。
FOR YOU
用紙:江戸小染はな 絹 アレンジ手法:スタンプ
コメント:
ロウ引きしたことによってトレーシングペーパーのような透かし感を出すことができました。元の紙をメッセージカードサイズにして中に入れているので紙の違いを比べてもらいたいです。
ロウ引きすると紙が少し黄色っぽくなってしまいましたがレトロのような仕上がりになっていて、それはそれで味があって面白いかなと思います。
おでかけが待ちきれない封筒
用紙:ポルカ メレンゲ アレンジ手法:コラージュ
コメント:
帽子に時計にシャツにヒゲ。これでおでかけの準備はバッチリ・・・!
おでかけする前のおじさんが、身支度をしている姿をイメージしながら、白いシンプルな封筒に、新聞紙に描かれたイラストの切抜きを貼りました。
おでかけを楽しみにしているおじさんの気持ちを封筒裏面の時計で表しています。
ドライブにいきたい封筒
用紙:クラフト紙 アレンジ手法:コラージュ
コメント:
新聞紙やチラシを切り貼りして作った車の封筒です。
よく見ると、地球や野菜、天気予報マークが隠れています!
ロウ引きすることによって、新聞紙の裏面の柄が透けて見えるところがポイントです。
ロンドンの二階建てバスバージョンも作ってみたかった・・・。
いかがでしたでしょうか? 同じロウ引き封筒でもそれぞれの個性が出ていて面白い作品ばかりでした。
ご覧の通り、紙を貼っても、イラストを書いても、コラージュしてもロウ引きが出来ました。
それに色の薄い紙なら透け感、クラフト紙ならアンティーク感ばど使う用紙によっても表情が違って見えるのも特徴ですね。
これらが皆さんの制作のヒントやアイデアになればうれしいです!
投稿者プロフィール
- 印刷とハンドメイドの技法を使ってかわいい紙ものを作るサークルです!月イチのペースでかわいい紙ものづくりの方法をご紹介していきます!
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