幼稚園の運動会から、スポーツや芸術、人助けをしたときや、大きな功績を残したとき。
まわりの人々から感謝や表彰される場面で必ずと言ってよいほど登場するのが「賞状」です。
私の場合、賞状とはほぼ無縁の人生を歩んできましたが、ありがたい事に、社会人になってから2回ほど賞状を頂く機会がありました。どんなことでも、がんばった結果などを認められたり表彰されると嬉しいですし、次もがんばろうとやる気にもなります。
そして同時に、賞状自体に対しても興味が沸いてきて、少し調べた事もありました。
なかなか機会がなかったのですが、今回、以前調べたことや新たに知ったことを、簡単ですがまとめながらご紹介したいと思います。
賞状とは
はじめに賞状とは、表彰状や感謝状、証書などすべてを含んだ書状の総称で、秀でた成績を収めた人や功労があった方に贈られる書状のことを言います。
中でも「表彰状」は大きな功績を残したり、他者の模範となるような善行があった場合にこれを讃えて授与され、賞状の中でも最も上位に位置づけられる、名誉あるものです。
他にも様々な種類がありますが、それは後ほどご紹介するとして、次は賞状の発祥とデザイン構成を見てみましょう。
賞状の発祥
賞状の発祥は中国にあると言われています。皇帝が現在の辞令に当たる人事発令や褒章として使用していたようで、枠のデザインも「鳳凰」や「桐」の飾り罫だったようです。
日本では宮中で使用されていたものが、明治以降の近代に入って官公庁で使用されるようになり、次第に一般でも使用されるようになりました。
賞状のデザイン構成
少し触れましたが、賞状用紙は枠のデザインが「鳳凰」「雲龍」「桐」の3つの図柄で構成されています。
- 上部中央にある雲の図柄「雲龍」
- その雲龍の左右に配置された一対の「鳳凰」
- 下部から左右上部へと鳳凰に向かって伸びる「桐」
桐や鳳凰は花札でもおなじみですね。
では、3つの図柄は具体的にどのようなものなのでしょうか。
雲龍
本来は雲と龍を合わせて呼びますが、非常に尊くとてもめでたいとされた四瑞(龍・麒麟・鳳凰・亀)の一つである龍とともに雨を呼ぶ幸運の雲で、その雲についても「雲龍」と言い、尊ばれています。
鳳凰
鳳凰は雲龍同様、四瑞(龍・麒麟・鳳凰・亀)の一つで、聖徳の天子の兆しとして現れると伝えられる想像上の霊鳥です。
鳳凰は、諸説ありますが、雄を「鳳」、雌を「凰」と言い、雄雌あわせて鳳凰と呼ぶようです。
賞状用紙では、向かって左側の「鳳」と、右側の「凰」が向かい合っている形にデザインされています。
桐
桐は、中国で古来より「鳳凰が宿る尊い木」とされ、また「鳳凰は朝日を浴びた桐の葉の光に目覚める」とも言い伝えられています。尊くめでたい植物として日本に伝来し菊とともに皇室の紋章になり、また神文(神への誓約書)にも用いられるようになりました。
鳳凰は雄雌だったのですね。知りませんでした。
デザイン構成を知ると、3つの図柄を見ただけで充分めでたくてありがたい気持ちになれそうです。
賞状の種類
ここまで賞状の歴史やデザイン構成をご紹介しましたが、ここからは賞状を贈る際に注意したい、「賞状の種類」について触れてみます。
賞状には様々な種類があり、賞状用紙の右側に入る表題から分けると以下のものが挙げられます。
賞状
一般的に個人、団体の競技や研究などに対し、その優秀な成績を賞め讃えて、主催者が入賞者に授与するものです。右側には「優勝」や「第○位」等の競技や学績の結果順位が記載されます。一般的に主文の末尾は「賞する」や「賞します」になります。
☆主な用途
スポーツ競技、文化活動、コンクール、学術、営業成績、企画、研修
感謝状
賞状が競技などで優秀な成績を収めた方へ授与するのに対して、感謝状はより幅広い社会性を帯びたものになります。大きな功績や功労があった方に対して、感謝の意を表して贈るものです。
主文の末尾は「謝意を表する」や「感謝の意を表します」が一般的です。
☆主な用途
寄附、募金、ボランティア、防犯、防災、業務改善、永年勤続、定年退職
表彰状
社会において立派な功績を残すなど、他者の模範となるような善行があったときに授与されます。公共性を帯びたものであり、賞状の中でも最も上位に位置づけられる、名誉ある賞状です。主文の末尾は「表彰する」や「表彰します」となります。
☆主な用途
功労、業績、皆勤賞、防犯、防災、災害防止、コンテスト、地域、学会、学校
卒業証書
学校の全課程の修了が認められた児童・生徒・学生などに対して、校長(学長)が授与する証明のことで、類似する文書には修了証書(修了証)があります。
☆主な用途
小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校
他にも大学院、専門学校、幼稚園などで使われる「修了証書」、資格試験の合格証書などで使われる「認定証書」などがあります。
「大失敗賞」や「笑顔賞」など会社や大会独自のユニークな賞も数多くあるようです。
賞状を贈る際は、種類に応じた表題や主文など、書き方のルールが色々とありますので注意が必要です。
用途の多さにも驚き!歴史ある素晴らしい文化だった
今までは何でも単純に「賞状」と思っていましたが、こうして纏めてみると色々な種類や用途があることに驚き、そしてとても歴史のある素敵な文化だと改めて感じました。
また、弊社では業務改善などの表彰に加え、日常的に感謝の気持ちをカードで手渡す「サンクスカード」という取り組みを行っています。デザインは違いますが、内容を見ると小さな賞状のようで、コミュニケーションツールとして活躍されています。
言葉で気持ちを伝えることはとても大切ですが、賞状のように「目に見える形」で伝えると、もっと喜ばれるのではないでしょうか。
賞状にこれだけ沢山の用途があるということは、私にももらえる機会が沢山あるはず!・・・と前向きに捉えて、常に目標を持ちながら日々精進したいと思います。
投稿者プロフィール

- 健康診断の結果におびえる中年社員。子どもが呆れるほどフライドポテトが好き。
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