こんにちは、オカジマです。
突然ですがこちらをご覧ください。
これはIllustratorの、フォントを選ぶパネルです。
何やら右側にアルファベットが書いてありますね。
こちらは「フォントファミリー」を選択するプルダウンです。
ご存知の通り、一つのフォントの中には複数のファミリーが用意されていることが一般的です。
和文書体の場合だとファミリーの中でも「ウェイト」を選んで文字の太さを変更することができます。
ウェイトの表し方
ここで抜き打ちテストです!
これらは、和文書体のウェイトを表すアルファベットです。
こちらの8種類のウェイト名を細い順に並べてみましょう!
できましたか?
正解はこちらです!
どうでしたか?
細い順に並べるとEL、L、R、M、DB、B、H、Uの順になります。
ところで、このRとかMとかってどう意味なのでしょう?
たんなる順番ならば、A、B、C、D…とかではだめなんですかね?
実は一つ一つにしっかりと意味があります!
今日はそれを解説していきます。
ウェイトはそんなにたくさんあるの?
実は全ての和文書体に、さきほどの8種類のウェイトが必ずあるわけではありません。
ほとんどの書体はこの中の、いくつかしか持っていません。
その中でも定番のウェイトがあるので、まずはよく見られるファミリーから見ていきましょう。
基本的なウェイト
M
まずはこの「M」からです。
こちらはMedium:ミディアム・メジュームと呼ばれ、中くらいの太さで、ほとんどの和文書体に用意されています。
使い所としては、小見出しや大見出しなどに使われることが多いです。
L
つづいてはこちらの「L」です。
これはLight:ライトと呼ばれ、M:ミディアムよりも細いウェイトとなります。
本文やキャプションに使われることが多いです。
R
こちらの「R」はRegular:レギュラーです。
ちょうどM:ミディアムとL:ライトの中間の太さです。
本文組によく使われます。
B
こちらの「B」はBold:ボールドと呼ばれる、なかでも太い書体となります。
こちらは本文中で強調したい部分や、見出しなどに使われます。
まとめると
太さの順番としては
となります。
ひとまずこのへんがあれば紙面づくりに必要なウェイトが揃うので、汎用性の高い書体にはだいたいこの辺のファミリーが揃っていると思います。
そのほかのウェイト
続いてご紹介するのは、すべてのフォントに用意されているわけではないけど、よく見るウェイトたちです。
EL
この「EL」はExtra Light:エクストラライトと呼びます。
その名の通り、L:ライトよりも細いウェイトになります。
DB
「DB」はDemi Bold:デミ・ボールドと呼ばれます
“Demi”とはフランス語で「半分」の意味だそうで、太さとしてはM:ミディアムとB:ボールドの中間になります。
H
つづいて「H」はHeavy:ヘヴィと呼ばれ、B:ボールドよりも太いウェイトとなります。
U
最後は「U」です。その名もUltra:ウルトラといい、その名にふさわしく最も太いウェイトになります。
まとめると
となります。
ただ、やはりこれだけのウェイトが揃っている書体はそう多くはありません。
覚えるのも大変ですので、個人的にはL・R・M・Bの並びを覚えておけば十分かな、という気もします。
特殊なファミリー表記
ヒラギノ書体
実はウェイトの表記は、MやRで表すものだけではありません。
例えばヒラギノ角ゴシックなど、ヒラギノ書体は「W3」や「W5」などと表記されます。
このWとはそのままWeight:ウェイトの意味です。
数字が大きくなるにつれて太くなっていきます。
数字で書かれていれば太さが感覚的にわかりやすいですね!
タイポス
タイポスという書体のウェイト表記も独特です。
こちらは「37」や「411」など数字で表記されます。
これは独自のモジュールにて設計されているためなのです。
UDタイポスしか持ってなかったので、こちらで説明いたします!
私が持っているUDタイポスには「58」「510」「512」「515」というファミリーが用意されていました。
数字が大きくなるにつれて、太くなっているように見えます。
実はこれらの数字はこのように分解できます。
例えばこの「510」というウェイトでは、頭の「5」というのはヨコ線の太さを表し、つづく「10」はタテ線の太さを表しています。
同じように「58」「515」というウェイトも、ヨコ線の太さは「5」で変わらず、タテ線の太さが「8」と「15」と、変わるということになります。
ですので、一番細く見える「58」と一番太く見える「515」を重ねてみると、
ヨコ線はほぼ同じ太さなのです!
タイポスはもともと、明朝体とゴシック体以外に汎用性の高い書体がなかった時代に、近代的な新しい書体として制作されました。
タテ線とヨコ線の太さをそれぞれ調整することで、近代的なイメージを損なわずにシステマチックに段階的なファミリー展開が行える設計となっているのです。
(例えば、本文組用にはタテヨコともに細めにした「タイポス45」、見出し用にはタテヨコにコントラストを持たせた「タイポス411」、ディスプレイ用タテヨコともに太い「タイポス88」など)
原則として、タテ線より太いヨコ線のウェイトは、書体のイメージが損なわれるため用意されていないとのことです。
ウェイト以外のファミリーがある書体は?
和文書体でウェイト以外のファミリーを持つ書体は、探したのですがほとんどありませんでした。
まれに「UD新ゴ コンデンス」といったコンデンスドフォントや「スティールワーク」といったスーラのアウトライン(っぽい)フォントなどは見受けられるのですが、別書体となっているのでファミリーではありませんね。
和文書体は文字の成り立ち上、イタリック体などもありませんので、やはりウェイト以外のファミリーを持っている書体はあまりないのかもしれません。
いかがでしたでしょう。
ウェイトの表記にはいろいろありましたが、特定の物だけ覚えていれば、デザインワークには活かせるのではないでしょうか。
機会があれば、もっと種類の多い欧文書体のファミリー表記についてもお伝えできればと思います!
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