こんにちは。misatoです。
「InDesignキホンのキ」第7弾。前回はページものをつくる時に知っていると便利な機能をかんたんに説明しました。
今回は、InDesignで作った冊子データをネット印刷などで印刷する際に出てくる「PDF入稿」の方法をかんたんに説明していきます。
※ネット印刷などに入稿する場合は、必ず「ご利用ガイド」や「作成ガイド」の内容をご確認ください。
完成したデータを印刷しよう!
データを入稿する前に確認する内容
完成したデータが間違った仕上がりでできあがったら残念ですよね。
印刷する前に改めて確認してみましょう。
例えば下記のような内容があるかと思います。
チェックリスト例
- 注文したいサイズと、データのサイズは同じになっていますか?
- 塗り足し(リンク)がちゃんと設定されていますか?
- データは全てCMYKになっていますか?
- 仕上がりギリギリに切れたくない文字やイラスト、デザインはありませんか?
- 注文している色の設定になっていますか?
例)1色注文の場合はグレースケール など
※詳しい内容は、注文する会社のチェックリストなどを必ずご確認ください!
目で見て確認→修正をすることが多いかと思います。ただ、ひとつひとつ確認するのも結構大変ですよね。
例えば、画像データがRGBのまま、文字がフレームから隠れてしまった、などは見逃してしまう可能性が特に大きいです。
InDesignには便利な機能「プリフライト」というものがあります。
InDesignの便利な機能「プリフライト」を使ってみる
プリフライトとは
InDesignで設定した内容をチェックし、文字隠れや画像リンク切れなどの問題があった場合に、エラーを出してくれる便利な機能です。
InDesignに配置したIllustratorの色指定のエラーや更新情報もエラーとして検出してくれます。
パネルの表示方法
InDesignを起動します。
ウィンドウの下側に、丸いマークがあるかと思います。
マークの部分をダブルクリックするとタブが表示されます。
プリフライト設定について
下記3点がプリフライトの初期設定内容です。
リンク先が不明・変更済みなのに更新されていないリンクがある場合エラーが出る
Illustratorのファイルや写真など、InDesignに配置した後に更新した場合などに起こります。
「更新」を選ぶと内容が更新され、エラーが消えます。
文字がフレームから隠れてしまっていた場合エラーが出る
テキストフレーム以上に文字が配置されている場合にエラーが起きます。
文字数を減らす、フレームサイズを大きくするなどの処理をするとエラーが消えます。
設定されているフォントが見つからない場合エラーが出る
パソコンに入っていないフォント、またはフォント管理の設定などで表示されない場合、文字が違ったフォントに置き換えられ、ピンク色の枠が表示されているはずです。
対処方法として、持っていないフォントは購入。
フォントのインストールを行う・・・などの処理を実施するか、持っているフォントに置き換えることでエラーが消えます。
自分にあったプリフライトの設定を作ってみよう
デフォルトの設定も便利ですが、自分にあった設定を作りたくなりませんか?
ということで、プリフライトの内容を作ってみましょう!
基本となる作り方は簡単です。
設定方法
①「エラーなし」をダブルクリックしタブを表示させ、プリフライトパネルメニュー「プロファイルを定義」をクリック
②プロファイル名を任意の名前にする
「プリフライトプロファイル」が表示されます。「新規プリフライトプロファイル「+」」をクリックし、プロファイル名を変更します。
③確認したい項目を決める
例えば下記のような内容を設定しておくと便利です。
CMYK以外の色が使用されていたらエラーが出る
カラー→使用を許可しないカラースペースおよびカラーモードにチェックをいれます。
CMYKのみ使用したデータを作りたい場合は他RGB、特色、labなどにチェックを入れます。
画像の解像度が低くなっていたらエラーが出る
画像とオブジェクト→画像解像度
画像低い解像度の場合、印刷結果が荒くなってしまう可能性があります。
印刷する内容に合わせ、各設定の解像度の数値を変更してください。
④内容を確認し保存する
設定を確認後、「保存」をクリックして設定の作成は完了です。
設定の詳しい内容・作り方などは、Adobeのマニュアルページなどでご確認ください。
作ったプリフライトを設定してみよう
チェックボタンがついていることを確認し、「プロファイル」に設定した内容を選択してください。
エラーの内容を確認する
プロファイルの内容でエラーが出た場合、矢印を選択しページ数などを確認できます。
内容を改善していき、「エラーなし」を目指しましょう!
PDFを書き出してみる
プリフライト機能を使って確認が終わったら、実際にPDFを書き出してみましょう!
PDFって、そもそもなに?
Adobe社の説明を引用すると、下記内容になります。
Portable Document Format(PDF)は、ソフトウェア、ハードウェア、オペレーティングシステムに関係なく、文書を確実に表示および交換するために使用されるファイル形式です。アドビが開発したPDFは、現在、国際標準化機構(ISO)で管理されているオープンスタンダードの1つになっています。PDFには、リンクやボタン、フォームフィールド、オーディオ、ビデオ、ビジネスロジックを組み込むことができます。また電子サインを付加することもでき、無料のAcrobat Reader DCソフトウェアを使用して簡単に表示できます。
ADOBE ACROBAT DC より引用
先週公開された記事のダウンロードコンテンツもPDFが使用されています。
とても便利なファイル形式ではないでしょうか。
基本の設定
InDesignではPDFを書き出す設定が入っています。
ファイル→書き出しプリセット内に様々な内容が書かれています。
プリセットとは、InDesignのデータをPDFにまとめるときに必要な設定をまとめたものです。
印刷やWEBサイト、メールでPDFを送りたいなど、用途に合わせて使用することが可能です。
印刷に適したPDFを作りたい
「PDF/X-4 2008」を使用することが推奨されています。
※ネット印刷などを利用する場合は、使用するプリセットを必ず確認しましょう。
WEBやメールに適したPDFを作りたい
「最小ファイルサイズ」を使用すると、容量が軽くなります。
印刷に適したPDFを書き出す
ファイル→書き出しプリセット「PDF/X-4 2008」を選択します。
「トンボと裁ち落とし」を選択し、「トンボとページ情報」の内トンボ・外トンボ・センタートンボ にチェックを入れます。
次に「裁ち落としと印刷可能領域」の裁ち落としが3mmになっていることを確認しましょう。
トンボのないPDFを書き出す
ファイル→書き出しプリセットから、内容を選択します。
「トンボと裁ち落とし」を選択し「トンボとページ情報」のトンボ全てにチェックがついていないことを確認します。
次に「裁ち落としと印刷可能領域」の裁ち落としが全て0mmになっているかを確認しましょう。
Webサイト公開用にPDFを書き出す
ファイル→書き出しプリセット→最小ファイルサイズを選択します。
メールやWEBサイトなどに掲載したい場合はこちらの内容を選択すると便利です。
一般→WEB表示用に最適化 にチェックがついていることを確認しましょう。
※内容によっては選択しても容量が大きくなってしまう場合があります。
見開きのPDFを書き出す
ファイル→書き出しプリセットから、内容を選択します。
「一般」→ページ にある「見開き印刷」にチェックを入れましょう。
そうすると見開きでPDFが表示されます。
InDesignの「ページ」タブと同じ形でPDFは見開きになります。
中綴じページで出力したい場合
前回の記事で紹介しています。参考までに・・・!
いかがでしたか?
「プリフライト」と「PDFの書き出し」についてイメージがつきましたか・・・?
設定方法、確認方法などは使用する内容によって確認して書き出すとスムーズです。
用途に合わせてプリフライト、PDFの書き出し設定を使いましょう!
投稿者プロフィール
- 日々勉強中の下っ端社員。語彙力つけるため頑張ります。
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